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 「ハードキャンディ」
2006年10月16日 (月) | 編集 |
HARD CANDY

「ハードキャンディ」を観てきましたよ〜

・・・な、なんなんだこの映画っ!
スゴイ映画が現れた。

主な登場人物は、少女と男のふたり。
そして密室。

要素はたったこれだけなのにも関わらず二人の会話と演技だけで実に見事なハイパー・インテリジェンス・スリラーに仕上がっている。二人の演技力はもちろん、シナリオの完成度が高くなければこれだけの要素で面白い作品が創れるはずはない。だが、この「ハードキャンディ」の、その完成度は高いと言える。

「ハードキャンディ」は“赤ずきん”そして、日本で起きた“オヤジ狩り”“援助交際”をモチーフに創られた作品。決して目新しいと言うわけではないかもしれないけれど、この三つの要素をうまく取り入れてるところが好きだったりします。
上のポスター、これはエラくお気に入り♪
まさに「ハードキャンディ」を象徴するものだと思う。
トラバサミというトラップを仕掛け“少女”を武器に自らが餌となり“オオカミ”を誘い出す。そして物語は赤ずきんをモチーフに取り入れている。赤ずきんといえばグリム童話では、オオカミに丸呑みされてしまい、猟師が眠っているオオカミのお腹をジョキジョキと切り裂いて助け出される赤ずきんちゃん。石ころをお腹に詰め、そのお腹を縫う。そしてオオカミは井戸へ・・・。オオカミが人を襲うのは言わば生きるため。石を詰め、縫う。これは懲らしめるためではあるが、復讐劇ともとれる。この「ハードキャンディ」は、そんな赤ずきんになぞらえた感じになっている。

少女ヘイリー(14)とジェフ(32)は出会い系サイトのチャットで知り合い、ある日初めてカフェで出会う。いかにも“援助交際”といった感じで“赤ずきん”と“オオカミ”は出会うのである。“オオカミ”に狙われているとも知らず、今時の14歳といった感じのノリで無邪気に振舞う“赤ずきん”。そして“オオカミ”に誘われ自宅へ行くこととなる。もはや“オオカミ”の餌食になってしまうのは確実・・・かに思えた。が、しかし!時すでに赤ずきんが仕掛けたオオカミへのゲームは始まっていた。“オヤジ狩り”の始まりである。“オオカミ”の家、この密室で繰り広げられる二人の会話が良く出来ている。それは観る者の同情や嫌悪感、そして緊張感といった様々な感情を刺激する。
エグい映像を見せることなく、会話と演技だけで観る者の想像力を刺激し、それをとてつもなく痛いと“思わせる”など、実に見事。この密室での二人は主導権争いといった感じで、主導権を握った者がこのゲームの勝者、そんな駆け引きが楽しめる。ところで、この密室劇が始まった辺りから気になりだしたことがある。それは“色”。赤や青などシーンによって、または場面が変わるときなど効果的に多用していることに気づく。色合いで登場人物の感情などを表現する手法はよくあること。この赤や青も何かを表現しているはず、それが何なのか?“赤ずきん”目線の感情の変化なのか・・・もしくは“赤ずきん”と“オオカミ”の攻守の入れ替わりを表したものなのか・・・。
この“赤ずきん”の見せる無邪気さは世代ならではなのか?それとも、それすら計算されたトラップのための演技なのか?ヘイリーが次第に少女の皮をかぶったオオカミにさえ見えてくる。
この作品は“赤ずきん”or“オオカミ”どちらに感情移入できるのか、ヘイリーの狙いやジェフの過去、そしてラストなど、何が正解とかではなく、その感じ方は観るものにゆだねられています。

Hard candy
1. 砂糖と結晶化させずに沸騰させたコ−ンシロップから作ったキャンディ
2.堅いけど砕けやすいキャンディ
3.勃起したペニスのこと。キャンディと呼ばれているのは、ビッチ(女)たちがキャンディと同じくらいそれをなめるのが好きだから。
4. (名詞)ヘロインの俗語

さて、この「ハードキャンディ」のラスト、どんな風に感じましたか?
最後のセリフにはゾッとしましたが、私のそれは他の人と違うと思います。このラストは実はヒネリが利いていて、それこそ“赤ずきん”が仕掛けたトラップの本当のキモではないのだろうか?と私は思いました。最後のセリフは、その前のセリフに繋がるのではなく、ヒネリを利かせた“その後”の為のプロローグなのでは、と。

― 童話「赤ずきん」
「どうしてそんなにお口が大きいの?」
「それはね・・・お前を食べるためだよっ!!!!

― これに対し「ハードキャンディ」は

「お前は誰なんだ?」
「私はいたいけなる少女、赤ずきん」
「何のためにこんなことをするんだ!?」
「それはね・・・お前を懲らしめるためだよっ!!!!

― と、いったところでしょうか。

「ハードキャンディ」オフィシャルサイトはこちら

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